人間は毎日、頭の中で膨大な量の物事を感じ、考えています。自分で意識できるもの・認知できるものもあれば、脳の奥底に深く沈んで意識・認知されずに引き出しにしまわれていくものもある。
僕たちが話したり、行動したり、ブログやSNSに書くことはそのほんの一部――氷山の一角でしかありませんん。
特に奥の方にしまわれてしまったものは海底の洞窟の宝物と一緒で、死ぬまで眠ったままになってしまうことが多いようです。
これを引き出すためには訓練が必要です。
と言っても、何か特別なことをするわけじゃありません。
ただひたすら「書くこと」。文字化・見える化することです。
ただしブログやSNSに書いているような作文はだめ。人に見せることを前提として書くと、どうしてもリミッターが働いて本音が出せなくなってしまう。
これは「人に見せない、自分だけの秘密の文章」でないと、あまりやる意味がありません。
さらに言えば、きちんとした文章になってなくたって構わないのです。単語の羅列だっていい。要は自分がその意味・イメージがわかればいいわけですから。
そして重要なのは継続的に――できれば毎日やること。
「人に見せなくていいんだったら簡単」と思うかも知れませんが、実はそうでもありません。
僕も含め、たぶん多くの人は「人に見せる前提」がないと、なかなか文章なんて書けないし、書く気にならないと思います。1日・2日ならともかく、毎日となるといったい何を書けばいいのかわからなくなる。
そこを乗り越えてほじくり出せるようになるといいのです。
僕が手書きでノートにこれを書き始めたのは5年ほど前からですが、何度も挫折してやっと習慣として定着するようになったのは、この1年あまりのことです。
だいたい1日につき、見開き2ページから多い時は4ページ。費やす時間は30分から1時間。時々忙しかったり体調悪かったりで数日抜けることがありますが、何とか保っています。
やる時間帯は朝昼晩夜、いろいろ試してみましたが、やっぱり脳がよけいな情報に侵されていないフレッシュな状態の朝が7いいようです。
僕の場合は、曲がりなりにも物書きを生業にし、創作をやっているので、アイデアが出やすくなるとか、表現を工夫できるとか、直接的にメリットがありますが、そうでない人もやってみると面白いことが起こるかも知れません。
そんなに時間・労力が取れなくても、1日15分、1ページでも。
言い換えればこれは自分の脳の中に溜まる情報のウンコを出すようなもの。脳をすっきりきれいにしてストレスをなくし、自分にとって本当に大切な情報をほじくり出す作業でもあるのです。
大量の情報があふれる世の中で、僕たちの脳は知らず知らずのうちに相当なダメージを受けています。それを軽減する効果も生まれると思います。
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