江戸東京野菜・高倉ダイコン食べつくしツアー

 

 

 現在、日本で生産農家2軒という希少な伝統野菜・高倉ダイコン。

 多摩八王子江戸東京野菜研究会主催の見学&食事ツアーに参加。

 高倉ダイコンは48種類ある江戸東京野菜の一つで、八王子の特産品でもあります。

 

 干し大根に適したダイコンで、大正時代から昭和40年頃まで八王子高倉町界隈では毎年この季節になると、軒並みこうして大根を干す風景が見られ、八王子八十八景の一つに数えられました。人によっては「失われた日本の原風景の一つ」とも。

 

 夜は下ろしてお布団に寝かせてあげると、水分が早く抜けて良い干し大根になるのだとか。

 そしてこの干し大根がたくあんに。

 

 昔はこの八王子周辺や信州の工場で働く人たちのお弁当のおかずとして、たくあんとして需要が多かったのだとか。

 

 その後、高度経済成長時代を経て、安定供給・大量生産に向く交配種(青首大根など)が市場を席巻するようになると、手間ひまがかかるこうした昔ながらのダイコンは作る人が減り、昨年まではここの立川さんが一人でがんばって作っていました。

 

 「もうやめようかと家族と話したこともあるけど、『おいしいよ。また来年も頼むね』」と言われると、やっぱりやめるのやめようと思い直してね」と立川さん。

 

 歩いて10分程度のところにその畑。

 農作物は土が命。昔からここの土――関東ローム層の適度に粘度のある土だからこそ、高倉ダイコンがよく育つのです。

 

 お昼には、京王八王子駅ちかくの料理店「けいの家」(日曜休業だけど、このツアーのために特別貸し切り営業)で、干し高倉ダイコン焼き、高倉ダイコンピクルスのチキン南蛮、十勝広尾鮭と高倉ダイコンの十八鍋など、高倉ダイコンづくしのメニューを賞味。

 

 総勢約30人のツーリストは、伝統野菜、江戸東京野菜ファン、研究家、八王子の地域活動家の人たち。

 お昼からお酒も入って野菜の話で盛り上がり、ベジタブルでな日曜を過ごしました。

 

 詳しいことはまた「マイナビ農業」から発信します。