「うわっ、ここでもチュパチュパやってる!」
最近、スーパーでも電車の中でも、やたら指をしゃぶっている子供が目につきます。
それもだいたいは親指。訊いてみたことはありませんが、おそらくいちばんしゃぶりがいがあるからでしょう。
もちろん、何らかの理由があって子供の間で指しゃぶりが流行っているわけではありません。 なんというか普遍的な習癖です。
うちの息子も一時期、これが大好きで、眠くなるとしゃぶり始めます。
「うわっ、始まった」
と思ったら、ものの1分もしないうちに寝息を立てはじめるのです。
指しゃぶりの前は「ぐゎぐゎタオル」でした。
お気に入りのクマの絵柄のバスタオルがあって、洗濯を重ねてかなりくたびれてきて物ですが、そのくたびれ具合が手でつかんで、しゃぶるのにちょうどよかったのでしょう。
まだ喋れない1歳前後の頃、いつも「ぐゎぐゎ」とそのタオルを求めて端っこの方をしゃぶっていました。
それでいつも不思議に思ったのが、そのタオルを指す「ぐゎぐゎ」という言葉。
「ぐゎぐゎ」って何だろう?
「くまクマ」って言ってるのかな?
夫婦で考えてみましたが、謎は解明されませんでした。
それが最近、妻が外国人から英語圏でも同じようなシチュエーションで[Gua Gua」という言葉を発すると聞いたのです。
どうもこの「ぐゎぐゎ」いうのは食べ物につながる言葉で、世界中の子供が使うらしく、世界共通言語のようです。
幼い頃は国や民族の区別なく、みんな共通の言葉を持っていたのでしょう。
とくに食べるというのは生存の基本条件なので、それに関する伝達表現はいち早くマスターするのだと思います。
というのはあくまで仮説ですが、けっこう信ぴょう性の高い話。
幼い頃の息子の友達だった、日本とオランダのハーフの女の子は、話す相手と状況によって、日本語・英語・オランダ語を縦横無尽に使い分けていました。
プリミティブな脳は、本当にすごいなと思った。
いろんな国の人・いろんな人種の人と言葉が共有でき、対話できる。
――そんなオープンでプリミティブな脳の機能が、いつでも取りもどせるといいのになぁ。
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