京都探訪記2017:外国人観光客の群れ、そしてKimono女の大増殖

 

 今回の京都旅行は22年ぶり。

 22年前に行ったときは、カミさんのお腹の中には息子がいました。

 時が経つの速いこと、速いこと。

 

 悠久の古都・京都もこの20年余りの間に大きな変貌を遂げていました。

 その最たる現象が、外国人観光客とキモノ女の大増殖。

 

●グローバリゼーションとITを体感できおすえ

 

 東京でもそうですが、近年やたら外国人が増えたなと思ったら、JapanRailPassという、外国人しか買えない全国のJR共通の切符があり、これを使うと東京・大阪間を新幹線で往復する程度の費用で、1週間日本中のJRが乗り放題。

 僕もかつてユーレイルパスという欧州一帯乗り放題の切符でヨーロッパ中を旅して回ったことがありますが、それと同じようなものです。これはお得!

 

 というわけでオールドジャパンの情緒・風情と、世界遺産の神社仏閣目白押しの京都は東京と並ぶ超人気観光地。

 

 そぞろ歩けば、中国語、韓国語、英語、ロシア語、フランス語、スペイン語、etc.・・・世界中いろんな言葉が四方八方から耳に入ってくるわ、自撮り棒にスマホやタブレットを括りつけてバシバシ写真を撮りまくるわで、21世紀のグローバリゼーションとIT化社会を改めて実感出来ます。

 

●お金かせぎながらお勉強できおすえ

 

 という状況なので、観光地で商売をしている京都のあきんどさんたちは、少なくとも商売に関する英語はペラペラ。

 

 錦市場の丹波の黒豆茶を売っている齢80になろうかというおばあちゃんも「ディスイズ・ブラックビーンズティー。20ピーシーズ・ティーバッグス・イン・1パケッジ。ドリンク・オーケー。プロイーズ・トライ」とか、じつになんとも、いわゆるナガシマさん英語で堂々と丹波の黒豆茶を試飲販売しています。

 

 ビジネス英語なんて、わざわざ月謝払って英会話スクールなんか行かなくても、ロンドンやNYCまで出かけなくても、京都の飲食店や土産物屋でバイトすれば、必要に駆られていくらでも喋れるようになりますよ。いっしょにお金も稼げて一石二鳥です。

 

 語学に限らず、これからはお金払って勉強するんじゃなくて、お金かせぎながら勉強する時代。そのほうが効率的だし、やらなきゃいかんからしっかり覚える。高い教育費払うのなんてバカらしいよね~。

 

●着物で歩きはったらどうでっしゃろな

 

 さてそんな中、うちのカミさんは今回、着物を着て京都を歩くというヴィジョンを持ってやってきました。

 観光ガイドブックなどを見ればわかると思うけど、ここのところ京都では「レンタルきもの屋」が大繁盛。

 

 昔から舞妓さんや花魁のコスプレをして写真を撮る、といったサービスはありましたが、そこから展開して今は、とても安いお値段でレンタル着物を着て街が散策できるのです。

 

 今回利用したお店の場合、インターネット予約割引もあって、1日¥1980で着物はもちろん、帯、足袋(使い捨て)、履物(女物はMとLの2種類サイズ。かなり履きつぶされているものもある)、さらに着付けサービス、お荷物預りサービスも付いていました。

 

 特に祇園・清水寺近辺は大激戦区らしく、いたるところにこのテの店が立ち並び、通りにはまるで真夏の花火大会の会場みたいハデハデの着物に身をまとった娘たちがウジャウジャしています。

 

 ちなみにこのレンタルきもの、基本的に安いポリエステルの生地でできています。

 ポリエステルなので発色が良く、見た目、ほとんどすべて浴衣に見える。

 そして、着終わった後はそのままガガガっと簡単に洗濯できるのが大きな特徴。

 お値段のことを考えれば、そうケチはつけられません。

 

 ただ、素材の性質上、モノはどうしても赤やらピンクや水色やらライトパープルやらの、若い子向きの明るくハデハデなものばかり。

 

 うちのカミさんは、幸いにもなんとか奥ゆかしい(?)柄を選び取ることができましたが、街を散策中の方の中には、結構なご年配の外国人レディが娘の浴衣みたいなのをまとって歩いています。

 ま、彼女らにとっては民族衣装を着ているような意識なので、とくに問題ないでしょうが。

 

 そんな光景を目の当たりにすると、京都では過当競争のこのビジネスも、ターゲットを、頭の中は10代・20代のエイジレス年配者にすれば儲かるのではないかな、と思いました。

 

●表も裏も京都のお味、楽しんでおくれやす

 

 日が暮れるころには、お店の中は脱ぎ散らかした着物でいっぱい。

 ゴミ箱は使い捨ての足袋でいっぱい。

 スタッフはほとんどがお客と同じお姉さんがただけど、1日終わった後の片づけは大変だろうね。

 情緒あふれる祇園の通り、清水の坂道。

 レンタルきものビジネスの舞台裏。

 ひと粒で二度も三度もおいしい秋の京都の旅。

 

 そうそう、日本語出来ない人、日本の文化がわからない外国の人も、舞妓さんにはおさわりしたらあかんどすえ。