今年のエンディング産業展は、けっこうあちこちでニュースとして採り上げられ、話題になっていたようです。
「最後の成長産業 年間売上○兆円の大市場」とかね。
マスメディアの採り上げ方はどうしても皮相的になるので、ロボットの坊さんとか、ネットを使った遺影サービスとか、きらびやかなお墓や仏壇とか、やっぱりそういうのになってしまう。
わいわい面白がるのはいいけど、葬式とかお墓の世界がこんなに明るく楽しくなっちゃっていいのか? いったい世の中どうなっちゃうんだ?
といった違和感を抱く人も多いのではないでしょうか。
僕も業界情報誌のライターという立場上、あちこちのブースを回って出展者と話す会話は、
「売上、すごく伸びてるみたいですね」
「ずいぶんシェアが広がりましたね」
「そんなにそのニーズが大きいんですか?」
「マーケティング戦略はどうですか?」
といった感じで、改めてふり返ると、なんだかすごい違和感を感じるのです。
ビジネスの世界なんだから当たり前だけど、提供する側も受け取る側も、それだけに終始していると、これらの商品やサービスを使う人はみんな「お客様」であり、「消費者」になってしまう。
僕らは現代の消費社会では、市民とか人間とかではなく、「消費者」と呼ばれるのにふさわしいけれど、最期までそれでいいと思っている人は、そういないはず。
これからやってくるエンディング=死について思いを巡らすことは、今ある生をより充実させることです。
最期まで消費者として終わって満足・納得だ、という人はいいけど、そうでない人は、自分の人生をこれかえら終わりに向けてどうしていくのか、エンディング情報をきっかけにリ・クリエイトしていければいいのでは、と思います。
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