3日ほど過ぎてしまいましたが、7月14日はフランスの革命記念日でした。
ニュースでマクロン大統領と、訪問したトランプ大統領が並んでいるのを見て、なんだか親父と息子みたいなだな、顔もちょっと似てるなーと思いつつ、初めてパリに行った1986年のことを思い出しました。
当時はロンドンに住んでいたので、朝、家を出て、ドーバー海峡を渡ってフランス北端のカレーにわたり、夕方パリに到着しました。
泊ったのは都心にある小さなホテルの、ちょっとポエミーな屋根裏部屋。
その旅行は一人ではなく、同じ職場のウェイトレスさん二人が一緒だったのですが、この二人が漫才コンビみたいな調子で、
「朝食食べたらギロチン見に行くわよ~」
「正月の朝からギロチンとは縁起がいいなぁ」と、やりとりしていたのが面白かった。
記憶がいまいち曖昧だけど、この時出掛けたのは、革命関係の絵や資料が見られるカルナヴァレ美術館だと思います。
さすがにギロチンの実物は展示されていません。
今から228年前に起こったあの出来事が、世界史の1ページを飾る大事件であることは今も昔も変わりませんが、世の中の評価はだいぶ変ったように思います。
かつては革命の理想に邁進する民衆が、力を合わせて古い体制を叩き潰し、自由と平等の社会を創り上げるという物語が強調されており、もの革命=善という見方が強かったように思います。
しかし近年は、革命時の発狂したとも言える民衆のヒステリックな状況、血に飢えた人々の非道な残虐行為にスポットが当たることが増え、あそこまでやる必要があったのか?
そうそう胸を張って誇れるようなものだったのか?――という疑問が多く聞かれるようになりました。
情報化が進んで、以前のように「民衆・革命=善」「王政・古い体制=悪」といったように単純には捉えられなくなった、また、世の中の保守化の表れでもあるのでしょうか。
そういえば、革命劇の主役のひとり、最大の仇役であったマリー・アントワネットの人気は死後2世紀を経て、年々上がっているように思えます。
かつては民衆の女性に徹底的に妬まれ、憎まれた、あのお姫様ぶり、セレブぶりが、逆に現代の女の人達の、大きな関心と共感、憧れを呼んでいるのも面白いところ。
悲劇のヒロインでもあるし、みんな、アントワンネットのこと大好きだもんね。
ところでトランプ似の若き大統領・マクロンさんだけど、僕はつい「マカロン大統領」と言い間違えてしまう。
マカロンはおフランスのお菓子ざんす。
「パンが食べられないなら、お菓子を食べればいいじゃな~い」――
っていう歴史的名言(?)も、じつはアントワンネットは言ってないそうざんす。
けど、今や彼女のキャラに欠かせないキメ台詞。
どんどんキメて、どんどん美味しいお菓子の宣伝に使ってほしいザンスね。
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