「たなばた」って、ひらがなで書くと「たなぼた」と間違えそうだなぁと思っていると、歌が聞こえてきました。
♪多奈波太綿の杜近く 黒川沿いにそびえ立つ 歴史輝く学び舎だ
これは僕が通っていた名古屋市立金城小学校の校歌です。
「多奈波太ってなんじゃい?」と思ったでしょうが、これは神社の名前。多奈波太(たなばた)神社と言うのが近所にあります。
当然のことながら、縁結びと安産祈願の神様です。
心を込めて祈れば織姫様がお約束してくれます。
なにせ年に一度しか恋人に会えない苦労人ですから、その御利益のパワーたるや、相当なものなのではないでしょうか。
たなばた神社のお祭は旧暦の8月7日でした。
子供はお神輿でもなく、山車でもなく、獅子舞でそぞろ歩きをして奉納していました。
夜は大して広くもない境内にもかかわらず、いろんな夜店が出て、映画大会までやっていて、子どもの目には広大なアミューズメントパークのように映りました。
そんな懐かしい七夕ですが、やっぱり子供を卒業すると、あまり縁がなくなります。
何十年も生き延びて大人になると、ろくに星空を見上げて夢見る気分になることもなくなってしまいますよね?
僕も子供の遊び相手から外された10年ほど前から、何回ゆっくりと星を見たか・・・たぶん片手で足りてしまうほどでしょう。
一方、「たなぼた」――「棚からぼたもち」は、いつも心のどこかで意識し、期待しています。
あ~、なんかラッキーにうまいこといかないかな~と。
それで「たなばた」と「たなぼた」を読み間違えた時、ふと夜空を見上げれば、織姫さんと彦星さんが天の川から、年に一度会えたお祝いに、盛大にぼたもちをまいているシーンが見えるのではないかと思ったのです。
「ほうれ、ようさんぼたもち撒いたるで。ちゃっと拾ってちょーよ!」
なぜか名古屋弁で「たくさんぼたもち撒くから、すぐに拾ってくださいね」と言いながら
下界へ向かって撒いている、たなぼた祭りのお二人。
まじめな人は「そんなものに頼らずにちゃんと努力しろ」と説教するかもしれませんが、年に1度のたなばたくらい、たなぼたをお願いしてもいいのではないかな。
ぜひぜひ落ちてくるたなぼたをしっかりとキャッチしてください。
いつにも増して、どうでもいい戯言を最後まで読んで、ちょっとは笑ってくれたあなた。
そんなあなたにこの夏、棚からぼたもちのGood Luckが訪れるよう、心から祈っております。
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