再生可能なデータがあれば、20世紀の伝説はロボティクスでよみがえり、後世に伝承される。たとえば、The Beatles。
●ビートルズ未来作戦
ここのところ、ネット上でやたらビートルズ関係の広告を目にするなぁと思ったら、今年はポップミュージックの大革命と言われ、世界初のコンセプトアルバムである「サージェント・ペパーズ・ロンリーハーツクラブバンド」のリリース50周年ということ。
ジョン・レノンとジョージ・ハリスンはとっくの昔にこの世を去っているし、ポール・マッカートニーもリンゴ・スターも、今さらビートルズをネタにビジネスをしようなんて考えないでしょう。
「ビートルズ」は今や一種のブランドであり、レジェンドと化しています。
そのビジネスはそもそも誰が動かしているのか知らないけど、どう今後の戦略を立てているのか、気になるところです。
メンバーの使っていた楽器が新たに発見されたとか、ジョンがポールに宛てた手紙がオークションでン千万の値をつけたなんて話もいまだに聞きますが、そうした話に興味を示す熱心なファンは、すべからくリアルタイムで聴いていた人たちで、だいぶ高齢化してきています。
そろそろこのあたりで決定的な手を打って若い世代を取り込み、ビートルズの功績を未来に伝えていきたい・・・と考えるのは自然なこと。
●ビートルズランド構想
そこでビートルズくらい世界中で認知度の高いバンドなら、この際、ディズニーランドみたな体験型テーマパークを作ったらどうなんだ?と僕は考えるのです。
ロンドンのアビーロードツアーとか、リバプールのペニーレーンやストロベリーフィールズ巡りは、昔からの定番だけど、バーチャルでそれができる。
サージェントペパーズとか、マジカルミステリーツアーとか、イエローサブマリンとか、中期のビートルズの音楽は、サイケデリック、ファンタジックな世界観を持っているので、アミューズメントに展開しやすい。
体験としても面白いでしょう。
それこそディズニーレベルで資産をドカンと投資し、シナリオや演出についての優れた人材を集めて制作すれば、結構楽しい場所にできるのではないか。
ロンドンかリバプールか、イギリスに本拠を置いて、日本にも「東京ビートルズランド」みたいなのをつくる。
そこは単なるエンターテインメント施設ではなく、世界へ向けて愛と平和のメッセージを送る情報発信基地のような場所であったりする。
そして、キャバーンクラブをイメージしたライブハウスがあり、4人が演奏します。
コピーバンドじゃありません。本物です。
●ビートルズはロボットとして復活する
本物のデータを採り込んだロボット――アンドロイド・ビートルズのライブパフォーマンス。
山ほどあるレコーディングの際の音源、ステージ映像、膨大なインタビューなども含め、メンバーのデータをぜんぶロボットに記憶させ、学習させる。
それをもとにしたパフォーマンスです。
日本のロボット技術は、すでに演劇をやるロボットや、落語の名人芸を再現する、見た目も人間と変わらず、表情も作れるアンドロイドを開発しています。
その技術をもってすれば、メンバーそっくりのロボット(アンドロイド)を創り出すのは、そう難しいとは思えません。
若い世代にアピールするためには、音や映像だけでは迫力が足りない。
「永久保存版」のロボットなら圧倒的に強く訴えられるでしょう。
それに学習能力があるから、新しい曲を生み出すことも可能です。
ナンセンス、ファンタジーが得意なジョン・レノンのアインドロイドなら、気の利いたゲームやアミューズメントの一つや二つ、プランニングできるかもしれない。
もちろん今のところ、夢みたいな話ですが、ビートルズという、あの時代ならではの、世界の若者の精神が作った「文化」を後世に引き継いでいく文化事業(であるとともにビッグビジネス)は、きっと必要とされる日が来ると思います。
それもそう遠い未来じゃなく。
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