●人生の最期に食べたいものは?
新作「ばんめしできたよ」に向けて始動。
その一環で「最後の晩餐」について調べてみました。
「人生の最期に何を食べたいか?」というのは人気アンケートの一つらしく、サイト上にはいっぱい記事が載っています。
ちなみにどこを見てもトップは「お寿司」。
ま、わかりますが、わかりやすすぎてつまらない。
僕もお寿司はフツーに好きだけど、そこまで特別なものか、執着するものかと言われると、そうでもない。
●父との最後の晩餐
うちの父親は八年前に亡くなったけど、亡くなる1ヵ月ほど前(最後の2週間は意識がなかったので、2週間前と言えるかもしれない)、僕がいっしょに食べた最後の食事は「うどん」でした。
うまく食べられないので、子供に食べさせるみたいに手伝ってあげたのですが、口からはみ出たうどんを、がんばってチュルチュルっと吸い込んだ時の映像が、いまだに頭の中に残っています。
なんだかトンマで笑える光景でした。
三島由紀夫は割腹自殺する前の晩に、取り巻きである楯の会のメンバーと、行きつけの料亭へ行って本当に「最後の晩餐」をやったらしいけど、覚悟を持ってそんなことが出来る人はそうはいません。
多くはうちの父親と大同小異なのでは。
●馬場さんと大福
もう一人、「最後の晩餐」と言えば、プロレスラーのジャイアント馬場さんです。
馬場さんはテレビ番組で「人生の最期に食べたいものは何ですか?」と聞かれて「大福です」と答えました。
ジャイアント馬場と大福という組み合わせは、「格闘家でありながら、人情味・ユーモア満載」というキャラクターとマッチして、忘れがたい印象を残しました。
そう感じたのは僕だけでなかったようで、「ジャイアント馬場+大福」でネット検索すると、思いがけずたくさんの記事がヒットします。
単なる思い出話だけでなく、なんと3年ほど前には、NHK Eテレの「グレーテルのかまど」というお菓子作りの番組で「馬場さんの大福」をやっていました。知らなかった!
こういう話を聞くと、16文キックや椰子の実割りなど往年の格闘シーンや、芸人たちが物まねしたユーモラスなキャラクターと、ふくふくした大福のイメージが溶けあって、思わず「アッポ―」と叫びだしたくなるような、おいしい化学反応を起こします。
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