「西武ドーム」が「メットライフドーム」に変わっちゃったという話をしたら、頭の中の20世紀の化石層から、西武線沿線の風景がいろいろよみがえってきました。
僕はロンドン暮らしをしていた2年半あまりを除いて、20代のほとんどを西武池袋線の江古田で暮らしていました。
また、その近所の東長崎や椎名町、西武新宿線の中井、新井薬師、少し飛んで上石神井なども友だちがいたりして、よくぶらついていました。
4年程前にお隣の東長崎で取材の仕事があったので、そのついでに江古田にも言ってみたのですが、もう当時の面影――最後にいたのはもう四半世紀昔になる――はありませんでしたね。
駅や大学(日芸をはじめ小さなエリアに3つも大学がある)がやたらと立派になった代わりに、ゴチャゴチャあった――だから楽しかった、喫茶店、定食屋、古本屋などがみんななくなってしまっていて、身体になじんだ街とはすっかり様変わりしていました。
それは東長崎も同様でした。
これはもうしかたないことだと思う他、ありません。
ただ最近、「仏事」の仕事をしていて、お寺関係の情報が入ってくるのですが、椎名町と東長崎の間にある金剛院というお寺には「マンガ地蔵」ができ、ご朱印ブームに乗っかって「マンガ御朱印」を始めたとか。
というのも、このお寺のすぐ近くに、手塚治虫先生、藤子不二雄先生、赤塚不二夫先生、石ノ森章太郎先生ゆかりの、かのアパート「トキワ荘」があったので、マンガファン・アニメファンがよく訪れるのだそうです。
まさしく「聖地巡礼」です。
それにあてこんで商売を――ということですが、悪い意味で言っているのでなく、これは街を活性化させる事業の一環。
なんでも豊島区を巻き込んで、「トキワ荘再建計画」というのが進んでおり、当時のトキワ荘を忠実に再現し、なおかつミュージアム機能を持たせる、ということ。
まさに20世紀の恐竜の化石の復元。
マンガ文化のジュラシックパーク。
この「マンガ地蔵」「マンガ御朱印」はその先駆けということで作ったわけです。
ちなみにこのお寺は、託児所やカフェを設けたり、イベント・講演をおこなったり、地域文化のためにすごく頑張っていて、たくさん情報発信も行なっています。
ちかぢか僕も「巡礼」に行かなきゃな、と思っています。
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