横浜の「港の見える公園」に「横浜市イギリス館」というのがあります。
かつてのイギリス総領事館を横浜市が買い取った施設で、今では一般に無料開放されており、イベント用に貸し出しも行っています。
昨年、このイギリス館の庭が「イングリッシュローズガーデン」としてリニューアルオープン。1年間養生して、今年はイングリッシュローズが150種・1200本のイングリッシュローズが花を咲かせています。
ゴールデンウィークに、NHK-Eテレ「趣味の園芸」の生放送がありますが、その後に3月に続き「趣味の園芸フェアin横浜2ndステージ」として、このイングリッシュローズガデーンをはじめ、港の見える丘公園の花スポットを巡るガーデンツアーを行います。
先日はその台本づくりのために出演講師とイギリス館の集会室で打ち合わせ。
講師の白砂伸夫さんは、長崎のハウステンボスや岐阜の花フェスタ記念公園のローズガーデンを手掛けたランドスケープアーキテクト(景観デザイナー/プロデューサー)で、今回の都市緑化よこはまフェアの統括アドバイザーです。
横浜は日本におけるバラの故郷とも言える土地で、明治初期からイギリス人がバラを持ち込み、西洋文化の象徴として、当時の日本人の心を強く捉えました。
明治22年の日本帝国憲法発布式の会場には無数のバラが飾られ、出席者は皆、胸にバラの徴章を付けていたとのこと。
天皇家の菊の紋章に対して、近代日本の新しい国家が西洋のバラで表現されたのです。
白砂さんはそうした日本におけるバラの歴史や文化、横浜という都市との関係・ストーリーも研究し、日本人のバラのイメージ・固定観念を変えていくヒント・提案をしていきたいと、港の見える丘公園と山下公園に3つのローズガーデンを設計。
これらのローズガーデンの設計思想は、今回のフェアのコンセプトと同源のもので、従来の資本による大規模建築による都市づくりから、生活者が花と緑を育て、いわば生活の底辺から広げていく都市づくりへのシフトを提唱しています。
そうした情報を知って見るとさらに面白いと思うけど、それでなくとも街中、花盛り――特にこれからの季節はバラ――ですごく美しいと思います。
ゴールデンウィークは横浜で思う存分花を愛でるのもいいかも。
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