●スーパーよりどりみどり
主夫なのでスーパーへ頻繁に行きます。
うちの周囲――自転車で10分程度の圏内に10軒以上のスーパーがひしめいており、どこをご利用するかはその日の気分次第、という恵まれた環境なので、いつもとっかえひっかえ、あっちゃこっちゃに出没しています。
ちゃんとデータを取っているわけではありませんが、だいたいどこがどんな品揃えになっていて、何が安いのかは頭にインプットされています。
規模の違いもありますが、それぞれ個性があって、ダントツにここの品物・品揃えがいいとか、ダントツにここが安いとかはありません。
それぞれ長所・短所があり、乳製品が安いなと思うところは、生鮮食品が少々高めだったり、全体的にお値段リーズナブルだけど、肉の品揃えが気に食わねえとか、何曜日は〇〇スーパーは魚が安いが、▽▽スーパーは野菜が安いとか、バラエティに富んでいます。
おそらく各店、スパイを送りこんで他店の状況をリサーチしているのでしょうね。舞台裏の情報戦争は熾烈を極めていそうです。
そうでもないかなぁ( ´艸`)
例外は三浦屋と成城石井。まぁ、どちらももともと高級志向なので。
僕にとってこの2店は「ハレの日御用達」というところでしょうか。
ちなみに成城石井のプレミアムチーズケーキの美味しさは絶品です。
最近はクルミ入りとか、ブルーベリー入りとか、いろんなシリーズが出ていて嬉しい限り。ハレの日しか買いませんが。
●その日の店を選ぶ条件
共通点もあって、だいたいどこも午前中に行くと、割引品がたくさん出ています。
もちろん、賞味期限が迫っているものとか、節分やバレンタインなどイベントデーの売れ残り、季節的に市う品入れ替えのため・・・といった品々ですが、廃棄される運命から救うべく、積極的に購入しています。
今日どこへ行くかは、
・時間的な余裕(歩いて3分と自転車10分では、やはりだいぶ違う)
・その日の体調(米、ダイコンやキャベツなどは重くてかさばるので、それなりの準備・心構えが必要)
・何を買うか
・どっかに行ったついでに寄れるか
などの条件と、その日の気分を考え合わせて決めます。
●スーパーは社会科の学校
スーパーは社会の縮図のようなところがあります。
店内に並ぶ生鮮食品、アメリカ、中国、ベトナム、インドネシア、ブラジル、ロシア、ヨーロッパ各国・・・世界中から集まっている。
国産でも、沖縄から北海道まで日本全国から。
「国産」の表示もくせ者で、どういう経緯で「国産」になったかも単純ではない。
また、なんでも国産が好まれるかというと、全然そんなことはなく、中にはイタリア産やスペイン産のうほうが好まれることも。
で、なぜかイタリアやスペインなんかだと食品の安全性云々の話題は聞かれない。それだけ信頼が厚いということ?
食品メーカーもスーパーの棚をめぐるライバル社との競争は熾烈。
あ、あのメーカーのが消えて、代わりにこっちのが入ったとか、あの商品そろそろ飽きたなと思っていたら、パッケージが代わった、リニューアルした、とか、売れ行きや状況を見計らって、新商品投入のタイミングを決めたりとか、涙ぐましい企業努力が感じられます。
値段の付け方もいろいろ気になるところです。
●スーパーに来ている人たちは面白い
商品以上に面白いのが、それぞれのお店にいる人たちです。
お客は当然、生活者。生活のために(食材などを求めて)スーパーにやってくる。でも来た以上は少しでも楽しみたいと、みんな考えています。
そんな人たちが子供から年寄りまでウロウロしています。
子供はスーパーが大好き。だいたいルンルンはしゃいでイキイキしています。
ダダこねられて頭にきているお母さんもよくいますが、よほど迷惑かけてない限り、大目に見てやってほしいと思います。
とくに赤ちゃんみたいな小さい子は泣いてもしかたないよね。
あんまり申し訳なさそうに周囲に気を遣っているのを見ると、かえって気の毒になります。
ここ数年でぐんと増えたのが、高齢の男性。
「なんでおれはこんなところにいるんだ?」とでも言いたげな雰囲気の人から、十分買い物慣れした人まで、ちょっと見ただけでランキングできちゃいます。 やっぱり、スーパー通いにもスキルが必要です。
車いすの人も増えました。介護ヘルパーの人が陳列された商品についてあれこれ説明したり、尋ねたりしているシーンにもよく出くわします。
お年寄りや障害のある人たちはやっぱりお店が混まない午前中が多いです。
お昼時にはスーツをかっこよくキメたお兄さんたちも、遠足に来た小学生のようにワイワイ弁当やパンを選りすぐっていて、これもまた笑えます。
●働く人たちの事情
働く人たちの側も興味深い。
昨今の労働事情・格差社会の現状が如実に反映されているようです。
じつは妹が(離れて暮らしているので近所ではありませんが)スーパーのおばさんをやっていて、実家に帰るたびに裏事情をいろいろ話してくれます。
その多くはグチですが・・・。
この方面の話は長くなりそうなのでまた別の機会に。
ちなみに最近はパートだの、バイトだのという呼び名はあまる使わず、パートナーとかクルーとかいうところが多いようであす。
おばさん・おじさんのプライドを傷つけず、いかに気分よく働いてもらえるかが、店長・マネージャーの力量・才覚と言えるでしょう。
●いやしとエンターテインメントのスーパー
ちなみに、あるお店でやたら男の客がよく並ぶレジがあって、見るとそこでは美人の若いお母さん(だと思う、たぶん)がレジ打ちをやっている。
もちろん、ぼくも並びます。声も可愛らしく、接客も上手。思わず「おつりはいりませんから」と言いたくなります。
いろいろよけいなものまで買ったりして。
彼女がいるうちは、その店ばかりに通っていました。
ところが、ある時からいなくなってしまい、心にドーナツのような穴がぽっかりとあいてしましました。
そして、その後しばらくしてから、その店の店長が替わったという話を聞きました。
もしや、これは店長との不倫? それが発覚して飛ばされたのか?
人生、どこで何が起きるかわからんなぁ。
・・・といったスキャンダラスな妄想も含めて、スーパーは楽しい。
一度、一日かけて各店をじっくり観察して回るスーパーツアーをしようと企画を練っています。
みなさんも仕事に疲れたり、人生に退屈したりしたら、ぜひ近所のスーパーへ行って、買い物する振りをしてブラブラ店内を旅してT歩いてみてください。
ただ、時々、思いがけず顔見知りと会って「あら、フクシマさん」と声を掛けられると、ドキッ!としちゃいますけどね。
「あ、いや、なんか、ここで売っている油揚げが好きなもんで」とか言って、テキトーに笑ってごまかします。
あるいは「きのうのお昼頃、〇〇にいたでしょ」とか言われて、見られていたか~! やばいです~となったり。
別に何かやましいことしているわけじゃないんだけどね。
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