杉並就労支援センターの仕事をやったけど・・・

 

 昨年のお仕事。

 AD岸部氏とやった杉並就労支援センターのチラシ。

杉並産業振興センター(起業家向けキックオフ・オフィス)に続く、ワーキングシリーズ第2弾です。

 

 メインの対象は引きこもり、ニートなど、働いたことのない人たち。

 あるいはいったん就職したけど、すぐやめちゃって何年も働いていませんという人たちも。そういう人たちの相談・トレーニングをしよう、仕事の紹介もしますよ、というわけです。

 行政機関がここまで面倒見なきゃいかんのか、という気がしますが、それだけ深刻化しているということなのでしょう。

 仕事に就かない子供のことを心配して、親御さんが見学とか相談に来るケースも多いとか。

 

 でも、他の国みたいに若者の失業率が2ケタになることもなさそうだし、単に条件のいいところじゃなきゃ働きたくない、という人が大勢いるだけじゃないの、というふうにも見えます。

 いろんな権利意識がみんなに浸透して、ブラックな職場では仕事なんかしませんよ、

やりがいのある仕事しませんよ、本当にボクがイキイキ喜んで取り組める、アタシの才能がフルに生かせる仕事じゃなきゃイヤですよ、という人だらけなのでしょうか?

 

 それはそれで良いことだと思うけど、それで選り好みして、ぜんぜん仕事しないでも、ちゃんと生活はしていけるってこと?

 

 いったいどうなっているんだろう?

 

 そういえば、30年前にロンドンの日本食レストランで働いていた頃、どんなにスタッフを募集(市内に複数店舗あったけど)しても応募してくるのは移民や留学生ばかりでした。

 

 当時はサッチャー首相が社会保障の打ち切りなどに大ナタを振るっていた頃で、街中にはかなりホームレスがあふれていました。

 会社は行政から「英国人を雇用しろ」とかなりうるさく言われており、僕も入国の際、就労ビザを持っていたにも関わらず、イミグレのおばさんにヒースローの秘密の小部屋に連れていかれて、あけこれ絞られました。

 「日本人め、みんなが失業している時に仕事とりやがって」。

 

 という状況でもイギリス人はレストランの仕事などやろうとしなかった。

 たまたまだろっていえばそれまでだけど、やっぱり「日本人に使われるなんて」とか、「移民の連中といっしょに働くなんて」といったプライドというか差別意識が、彼ら・彼女らの中にまったくなかったとは思えません。

 「それなら働かないほうがマシ」とか言って。

 

 今も欧米では「移民に仕事を奪われる!」なんて声高に叫ぶ人が大勢いるけど、実際そういう危機感もあるのだろうけど、僕は話半分にしか聞けないな。

 先進国の社会を底で支えているのは誰? 本当に移民を締め出したらそういうかっこよくない仕事をする人は足りるの? 街は動くの? あなたたちの生活は回るの? と思ってしまう。

 

 豊かで成熟した日本でも同じ現象。

 「働いているフリーターより、働かないニートの方が社会的ステータスが上」なんてネット上でのたまっている人がいた。

 そういう人は自分は貴族かなんかの特権階級の生まれ変わりだとでも思っているのかな?

 あくせく働いてお金を稼ぐなんて、奴隷かロボットのやるとだとでも思っているのかな?

  

 僕たちの仕事、働くことって、これからどうなっていくのでしょうかね?