「免許返すとお得やでぇ~」
と言っているのは大阪府警。
そうなんです。大阪では免許自主返納でいろんな割引やサービスが頂ける。
高齢者の運転ミスによる交通事故が相次ぐ昨今、大阪では2012(平成24)年から、返納の証明書を提示すれば飲食店や雑貨店、金融機関から料金割引や金利優遇などの特典を受けられる「運転免許自主返納サポート制度」を実施しているとのこと。
府内の1670店舗が参加(今年8月末現在)しており、この「お得効果」で大阪府の高齢者免許返納率は一昨年・昨年と全国トップを記録しているそうです。
葬儀屋さんの「葬儀割引サービス」もあるねんて。
「お得」で自主返納を促すとは、さすが大阪らしい。
もちろん大阪が公共交通機関の発達している大都市だからできることなんだけど、この発想はやっぱユニークで好きです。
人の心を動かすには正論を唱えたり、モラルを説いたりするだけではダメだと思うのです。
高齢になると事故を起こすリスクが高くなるというのは、みんな知っていること。だけど、そう簡単に免許を手放せるものでしょうか。
実用的な部分もさることながら、若い頃、「これが俺の青春だぜ!」とか言って、バイクやらスポーツカーやらアメ車やら、はたまたトラック、ダンプをかっ飛ばしていたような人たちにとって、運転免許はアイデンティティの一部と言っても過言ではありません。
そろそろ高齢者の域に達する永ちゃんだって「やっちゃえ」とか「もっと行け」とか、車のコマーシャルでカッコよくかましています。
「永ちゃんがあんなに頑張ってるんだから俺だってまだまだ・・・」と、内心思っている人は結構いるんじゃないかな。(別に永ちゃんが高齢者の運転を煽っているわけじゃないけど)
そんな中で、たとえ今、そんなに頻繁に乗っていないにせよ、免許を手放す=車の運転を諦めるというのは、精神的にかなりきついことだと思うのです。
でもそんな時、「わしも若い頃はバリバリやっちょったけど、そろそろヤバイので免許返したったわ。その代り、あっちの店でもこっちの店でも安く買い物したり、飲み食いできるでぇ~」と言えれば、少しは寂しさも和らぐのではないでしょうか。
さらにまた、「葬式も割引になるさかい、浮いたゼニでみんなでパーッと飲み食いしてや!」
と笑ってカマせるじいさん・ばあさん、僕は永ちゃん並みにカッコいいと思います。
2016・11・8 TUE
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