先日もご紹介したドラマシンポジウムの企画の仕事でもう一つ、「ドラマで表現される20~21世紀のアジア社会」というのを書きました。
ここ15年ほど、つまり21世紀になってからアジア諸国の経済発展は著しく、社会が大変動しています。
それはあたかも70年前の戦後日本をほうふつとさせる有様で、そこには当然、戦前・戦中・戦後といった世代間ギャップが生まれます。
たとえばベトナムなどは、ベトナム戦争を体験した親世代とその後に生まれた子世代では、ずいぶんと生活スタイルやものの考え方・感じ方が違っているようです。
20世紀育ちと21世紀育ち、アナログ・マスコミ世代とデジタル・ネット世代、といった切り分け方もできるでしょう。
こうした世代間ギャップは、どの国でも家庭や職場での人間関係や人生観に大きな影響を及ぼしています。
各国のテレビドラマにはそうした現実が色濃く反映されているのではないか、そしてそれはどのように表現されているのか・・・ということをシンポジウムのテーマにすると面白いのでは・・・という内容でした。
これは実際、とても気になるところで、現在も着々と進行している都市化・近代化・経済発展は、日本がそうであったように、あっという間に伝統社会の秩序を崩してしまうでしょう。
日本の場合、20世紀前半までの伝統的な大家族から戦後=20世紀後半の核家族へ、21世紀になると核家族からさらに個別化した家族へと、家族像が大きく変わり、今や半世紀前まであった生活習慣・冠婚葬祭のしきたりなどは、ほとんど「文化財」の部類へ。
意識して大切に守らなくてはいけない、絶滅危惧種になりました。
タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアなどの場合はどうなのでしょうか?
これらの国の情報は断片的にしか伝わらないので、その国の特徴ということで、どうしても伝統文化=異文化の印象が強いのですが、実際はすでに人々の日常生活は、かなり日本と共通する部分が多いのではないでしょうか。
やはり大きいのはインターネットでしょう。
外国の情報もリアルタイムで共有できるので、特にカルチャーの世界では世界中の人に共通認識・共有コンテンツが生まれます。(最近ボーダーレスで大流行した「ピコ太郎」がいい例かも)
これは世界にとっていいことなのか。世界を面白くすることなのか?
この先さらに各国の経済状況、社会環境、文化レベルはどんどん均一化していくことは間違いないと思います・
しかし、その均一化のうえで、それぞれの文化をどう発信受信するかが、未来の世界を楽しむコツなのかな、という気がします。
伝統文化とそれをアレンジするセンス・技術が価値を持つ時代になるのでしょうか?
2016・10・28 FRI
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