母が身の回りのことを整理したいと言うので、数日間、帰省した。
足が悪くてあまり歩けないが、医者にもほとんどかかったことがないし、薬等もまったく飲まない。いたって健康なのだが。
「ボケてきて考えるのがめんどくさくなったでいかんわ」というのが理由で、いろいろ閉まってあったものの整理を手伝ったり、庭の掃除などもした。
昨年末の父親の7回忌の前からそんなことを仄めかしていた。
父が亡くなってから生きる張り合いがなくなったと言う。
この数年、帰るたびに父のことをよく話す。
記憶の扉が開いたのか、今回は初めて聴く話もいくつかあった。
もしかしたら父が母を呼んでいるのかもしれない。
先日、息子の卒業のことを書いたが、母も人生から卒業しようとしているのか……いろいろ話を聞いて見守るしかない。
帰りのバスの車内では父と母のいろいろなシーンの顔が次々と浮かび、本も読めなかった。
両親のことをこんなに考えたのは、もしかして生まれて初めてかも知れない。
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