わたしの中の人間のクズ

 

 俳優の藤原竜也が結婚するそうです(芸能ニュースはだいたいカミさん経由で聞いています)。

 

 その奥さんになる彼女(一般人)とは長年付き合っていたらしく、もっと若いうちに結婚することも考えていたそうですが、メンターである蜷川幸雄(演出家)に「20代のうちはするな」と言われていたそうで。

 

 蜷川さんの真意は分かりませんが、もし藤原竜也が早くに結婚してしまっていたら、周りから良い夫・良い父親像を求められる無形のプレッシャーに負けて、あの悪役キャラはここまで成長しなかったかも知れません。

 さすが「本物」を数多く育ててきた演劇界の重鎮・蜷川さん、役者を見る目は鋭い。

 

 藤原竜也はもちろんはるかに年下ですが、僕にとってほとんどヒーローであり、メンターです。

 

 昔から芝居やドラマを見ていると、悪役、それもかっこいいワルじゃなくて卑劣な悪党に心動かされることが多かったのですが、最新作をはじめ、近年の藤原が演技で見せるあの人間のクズぶりは、もうたまりません。

 

 これほど共感と興味を覚えるということは、僕の中にも間違いなくああいう人間のクズが住んでいるということです。

 あんまり積極的に認めたくはないのですが……。

 

 「あんたらカッコいいこと言ったり、いい人でございますよって顔してるけど、本当はその下にやっぱクズがいるよね。そうじゃないの?」

 

 と、これまた卑劣にも隠し持っていたナイフをいきなり取り出し、突き付けてくる藤原竜也という本物の役者。

 

 結婚してどうなるのか、どんな人間の真相を暴いて見せてくれるのか、ますます楽しみです。