テープ起こしと海と空

 

 先日の2時間余りのインタビューのテープ起こしの作業をしています。

 音楽に関するとても面白い話なので、ついペロッと断片的にでも洩らしたくなるけど、仕事なので守秘義務遵守。


 テープ起こしはジミ~で時間かかるし、かなり神経もすり減らすし、面倒なのですが、人の話って現場で聴いただけではなかなか理解できないもの。

 本だって2~3回読まないときちんと頭に入らない。

 考えを整理したり原稿を作る上で大事なことなので、(その仕事の性質によりますが)なるべく面倒がらずにやってます。

 

 こうした、特にインタビュイーの人間性にフォーカスした取材をして思うのは、「今」とは過去と未来の集大成であるということ。

 これまでの何十年というその人の人生と、これからの(おそらく)何十年続くであろう人生のクロスポイントが、その話の数十分・数時間に現れていると思うのです。

 それは海の上に浮かぶ島のようなもの。その下の水面下にはその数百倍の面積の岩盤があり、その上にはこれまた無限の面積の空が広がる。」
 そんなイメージを持って聴いていくと、面倒なテープ起こし作業も楽しくなります。