小さく切り刻んで数が増えたリンゴと、ドカンと1個だけ丸ごとのスイカと、さあ、あなたはどっちに満足感を覚えるか……というのは、しょーもないナンセンスな比較だが、子どもにとっての数(算数、数学)というのは一種のナンセンス・ファンタジーである。
実際、「不思議の国のアリス」の作者であるルイス・キャロルは数学者だった。そう思って読むと、あの大きくなったり小さくなったり、首が伸びたり縮んだりするクールでシュールな「不思議の国」の世界観は、数学的なニュアンスを帯びているのが分かる。
このお話は出来ればディズニーでなく、テニエルという人の原画の挿絵が入ったバージョンで読むことをオススメしたい。やさしくポップなディズニーの絵を見慣れていると、こちらはユーモラスだけどちょっとグロテスクで怖い感じがするので嫌い、という人も多いのだが……。
おっと、またもや前置きが伸びてしまった。
で、ランドセルおじさん再登場。朝の朗読シリーズ、今回は「かずあそび ウラパンオコサ」である。これは1を「ウラパン」、2を「オコサ」と言い表わし、この1と2だけで数遊びするという絵本。
つまり、3なら2+1で「オコサ、ウラパン」4なら2+2で「オコサ、オコサ」、5なら2+2+1で「オコサ、オコサ、ウラパン」となる。これを1年生といっしょにやった。
最初はちょっと戸惑い気味で、おそるおそるといった感じの子どもたちだったが、このルールに納得出来てして入り込んでくるとすごく楽しくいっしょに声を出して
「ウラパン!」「オコサ!」
とやり出した。
なんだかみんなで一緒に「アリス」のようなファンタジーの世界にダイブしたような不思議な気分になってくる。
よく考えたら、1年生の頭の中ではまだ偶数・奇数の概念というのは存在していないのだ。
僕たちは当たり前のように偶数(2で割り切れる数)と奇数(割り切れない数)を考えるが、その前段の世界というのがあるのだ、」ということを改めて知った思いである。
でもみんな、どの数も必ず「ウラパン」か「オコサ」で終わるウラパン型とオコサ型があるってことはわかったみたいだね。
蛇足ながら、おとなのつぶやきを一言。お金もファンタジーのように、いつの間にか増えていてくれないかなぁ……。
お財布の中に木枯しがピューピュー吹いているので。
2011・11・8 THU
コメントをお書きください