「わーい、ぼくのいっぱい!」
と、うちの小僧くんが大喜びしていたことがある。何のことかと言うと、彼がまだおチビの時、リンゴを通常16等分の大きさで出していたもの(八つ切りを半分にする)をさらに小さく32等分くらいに切って盛り付けてあげたのだ。かように幼子というのは単純なもので、食い物の分量は変わらないのに数が増えると大喜びの大はしゃぎしてくれるので、こちらは大助かりである。
逆に少し長じてから夏に「スイカを丸ごと食べてみたい」言うので、たまたま
スイカをもらったこともあり、夏休みの思い出にと、その夢を叶えてやったことがある。
さすがにこの年の夏は以後、もうスイカが欲しいとは言わなくなった。いま考えるとよく腹を壊さなかったものである。教訓として(といえるのかどうかわからないが)、子どもの夢は100パーセント叶えて満腹にしてしまってはいけない。あくまで腹八分目に止めておくべきである。
それにしても「数」と人間の心理との関係は面白いもので、一つ一つは小さくてもいっぱ
いあった方が嬉しかったり、かと思えば、ドカン!デカっ!という物に丸ごとかぶりつく方がHAPPYだったりもする。何となくだが、女性や小さい子の場合は前者の割合が多く、男性や
少しでかくなった子どもの場合は後者の割合が多い気がするが、さてさてあなたの場 合はどちらでしょう?
……と、じつはここまでは「朝の朗読シリーズ」の前置きの予定だったのだが、ついノッて長くなってしまったので、続きはまた明日。
コメントをお書きください