★Yesterday Oncemore
「何を今さら」と言われるかも知れないが、インターネットは万能だ。万能というくらいだから萬曼荼羅の機能を持ち得ているわけで、一つ一つ褒め称えていたらキリがない。
であるからに、今日ここで言う万能ぶりは“過去をいつでもどでも即座に再現してしまう”というすごさに限定させてもらう。つまり、インターネットは僕たちがもう一度見たかった「アレ」をいとも簡単に再現してくれてしまうのだ。
具体的に言うと(これも「何を今さら」と言われそうだが)、YouTubeなどでは60~70年代のロックのライブがガンガン出ている。
「おお、これはかつてNHKヤングミュージックショーで見た○○のLIVE!」とか、
「ああ、これはもしやその昔、NHK-FMの渋谷陽一さんの番組で聞いた音源ではないか……」
というのがゾロゾロ出てくる。
★Dream come True
当時はインターネットはおろか、ホームビデオさえなかった時代。中高生だった僕たちはなけなしの小遣いをはたいて買ったレコードを丁寧に聞いたり、テレビやラジオの音楽番組から懸命に録音したひどい音質のカセットテープをありがたく、繰り返し繰り返し聞いていた。
月日が経ち、レコードやカセットテープはCDやDVDになり、それらはネット配信に。
うちの小僧くんはウォークマンならぬi-podで聞き歩いているし、僕もパソコンにインストールしたi-tunesで聞いている。
YouTubeをはじめとするここ数年のネット動画は本当に驚異的で
「え!あの時代(繰り返し言うがホームビデオもなかった1960~70年代)にこんな映像撮っていたんだ!」
「どこにこんな音源が眠っていたんだ!」
と驚くようなものがゾロゾロ出てくる。
また、こういった音楽モノだけでなく、昔のアニメだとかドラマもまたしかり。僕たちの世代にとっては子供時代・青春時代に大好きだった世界とまた出会えて(それも殆ど無料で!簡単に!)、まさしく夢が叶った……という感じだ。
★IN MY LIFE
「でも」と思う。「だからなんだ?」と思う。夢が叶ったと言っても、自分で努力して何かを成し遂げたわけではないので達成感みたいなものもない。
感激は一瞬のうちに過ぎ去って、それらは日常の一つに組み込まれてしまう。
大好きであることに変わりはないのだが……いわば、ずっと恋愛していてやっと結婚できたら、えんえんと続く、余りエキサイティングとはいえない日常が待っていた……という感じだろうか。
それも悪くない。
365日ExaitingでSomething Newを求めていた時代とは違うのだ。
僕はインターネットを通じて、自分を育ててくれた過去のお宝と一生付き合っていく。
そう決めると何か新鮮な気持ちになった。
2011・9・25 SUN
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