心霊写真でHAPPY

 

  心霊写真を信じますか? 

  ……と、ついオカルト的な書き出しになってしまったが、僕はいわゆる霊感とはまったく無縁な男である。

 能天気な性格に加え、ぼんやり者として生きているので、スピリチュアルな世界に触れられない。霊感ビンビンの人は1ランク上の人間に思えるくらい、ちょっとコンプレックスを抱えている。 

 

 一昨年末に亡くなった親友は、そういう意味では憧れの(?)霊感ビンビン人間だった。2月に彼の追悼会を開いた折(と言っても単なる飲み会を居酒屋でやっただけだが)、一緒に集まったJちゃんが最後に記念写真を撮ってくれた。ところが、そこに写っていたのだ、ヤツの顔が!

 

  …と、思ったのだが、この写真、ピンボケではっきりしない。多分、お店のスタッフがたまたまそこにいて首から上の部分だけ写ってしまったのだろう。

 しかし、心霊写真だと思った方が楽しい。プリントを見て、友人と「ヤツも来ていた!」といっしょにひとしきり盛り上がった。ほんのひと時だったが、妙にシアワセな気分になってしまった。 

   

 本当かどうかも分からない心霊写真でシアワセな気分になるなんて、何ともおめでたいものだ。

 けれども、人生の最後、ひとりぼっちで生き残ったら……と考えたとき、あなただったらどうするだろう?

 僕は親しい家族や仲間たちの幽霊に囲まれて死ぬまで暮らしたい、と心から切望すると思う。

 これからだんだん年を追うごとに、こっちの世界とあっちの世界とのつながりを見つけていくのだろうと思う。 

 

 

2011・6・5 SUN